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 異種材料の接着・接合技術 -強度・信頼性・耐久性向上のための
  最適接着剤・表面処理選定法および
トラブル事例と対策-
セミナー


  日時:2015年6月9日(火)~6月10日(水)  時間:9:30~16:30

  会場:
台中市 プラスチック工業技術発展センター (台中市407西屯區協和里工業38193號)

  主催:台湾 財団法人プラスチック工業技術発展センター

  講師:鈴木接着技術研究所 所長 工学博士 技術士(機械部門:構造接着) 鈴木 靖昭  

講演概要
 

 信頼性が高く耐久性が大きく強い接着継手を設計することを目的とする人に対し,接着力発現の原理,各種金属およびプラスチック被着材に対する接着剤および表面処理法の理論的選定法,異種材料の接着,樹脂射出一体成型法,レーザ溶接法など最新の接合法について解説します。
 また,各種継手に発生する応力分布,変形,および破壊条件の解析法,それに基づく強い接着構造の設計法,負荷応力の時間的分布と接着強度のばらつきに基づいた(ストレス-強度モデルによる)継手の希望破壊確率を与える安全率の計算法,接着継手の劣化の主要原因である温度,湿度,機械的応力などのストレスと劣化速度との理論的関係およびそれに基づいた加速試験による寿命予測法について詳しく解説します。
 さらに,各種接着強度評価法,接着トラブル事例,その原因別分類と対策についても解説し,最後にご質問に対し講師の45年間にわたる接着についての実務経験に基づき,ご回答いたします。

プログラム

1.接着力発現の原理
  1.1 化学的接着説
  1.2 機械的接合説(アンカー効果)
  1.3 接着仕事
  1.4 シーリング材の接着力発現の原理と役割
  1.5 粘着剤の接着力発現の原理と役割

2.各被着材に適した接着剤の選定法
  2.1 Zismanの臨界表面張力
  2.2 溶解度パラメーター

3.接着剤の種類、特徴、および最適接着剤の選定法
  3.1 各接着剤の種類と特徴
    (1)耐熱航空機構造用接着剤  (2)エポキシ系接着剤(液状) (3)ポリウレタン系接着剤(室温硬化型) 
    (4)アクリル系接着剤(SGA)  
(5)耐熱性接着剤 (6)ゴム系接着剤 (7)紫外線硬化型接着剤 (8)弾性接着剤 
    (9)吸油性接着剤 (10)短時間接着剤

  3.2 接着剤の耐薬品性および耐候性について
  3.3 各種接着剤のせん断およびはく離接着強度特性
  3.4 選定のための接着剤性能表
  3.5 各種被着材に適した接着剤の選び方
  3.6 各種シーリング材の性能および用途(表)

4. 被着材に対する表面処理法の選定法

  4.1 各種表面処理法およびその特徴
  4.2 各種金属の表面処理法
  4.3 各種プラスチックの表面処理法
  4.4 各種ゴムの表面処理法および各種被着材との接着法

5.最新の異種材料接合法
  5.1 金属の湿式表面処理-接着・加硫法
  5.2 金属の湿式表面処理-接着法
  5.3 金属の湿式表面処理-樹脂射出一体成形法
  5.4 金属のレーザ処理-樹脂射出一体成形法
  5.5 フィラー強化樹脂のレーザ処理-異材樹脂射出成形法
  5.6 金属―樹脂レーザ接合法:LAMP〔大阪大学〕
  5.7 金属の陽極酸化処理-樹脂のレーザ接合法〔名古屋工業大学〕
  5.8 金属・樹脂の大気圧プラズマ処理-レーザ接合

  5.9 樹脂同士の加熱溶着
  5.10 金属・セラミックス・樹脂の化学接合法(接着剤レス)
  5.11 樹脂とゴムの架橋接着
  5.12 分子接着剤〔岩手大学工学部,()いおう化学研究所〕
  5.13 金属または樹脂被着材の表面処理による実質接着面積の増加法
  5.14 被着材のエッチングによる接着・接合部の強度・耐久性向上のメカニズム
    (a) マルチスカーフジョイント効果 (b) マルチラップジョイント効果 (c) アンカー効果
    (d) (a)(c)の効果により継手の強度・耐久性が向上する理由

6.接着継手形式および負荷外力の種類
  6.1 接着接合の長所と短所  
  6.2 各種接着継手形式

  6.3 接着部加わる外力の種類

7.各継手の応力分布および強度評価
  7.1 重ね合せ継手
  7.2 結合力モデル(Cohesive Zone ModelCZM)解析法と混合モード破壊クライテリオンを用いた単純重ね合せ継手の挙動の
    解析例

  7.3 スカーフおよびバット接着継手のFEM応力解析および混合モード条件下の破壊条件
  7.4 特異応力の強さを用いたバット継手の引張接着強度の評価例
  7.5 はく離応力の解析
  7.6 スポット溶接-接着併用継手のFEM応力解析結果

8.最適接合部の選択
  8.1 強い接着接合部を設計するための一般的留意事項
  8.2 接着接合部の選択

9.接着接合部劣化の3大要因
  9.1 接着界面へ水分が浸入することによる劣化の促進
  9.2 温度による物理的および化学的劣化の加速
  9.3 応力による物理的および化学的劣化の加速

10.経年劣化(強度低下およびばらつき増加)による故障率の増加について(ストレス-強度のモデル)

11.加速係数

12.所定年数使用後の接着接合部に要求される故障確率確保に必要な安全率の計算法
  12.1 正規分布について
  12.2 負荷応力(ストレス)が一定値の場合の安全率の計算法
  12.3 負荷応力(ストレス)が分布する場合の安全率の計算法
  12.4 航空機において安全率が小さく取られる理由(強度のばらつきと故障率との関係)
  12.5 正規確率紙を用いた接着強度の標準偏差および変動係数の求め方
  12.6 各種接着継手の静的強度の変動係数実験値

13.アレニウスモデル(温度条件)による耐久性加速試験および寿命推定法
  13.1 化学反応速度式と反応次数
  13.2 濃度と反応速度との関係
  13.3 材料の寿命の決定法
  13.4 反応速度定数と温度との関係
  13.5 アレニウス式を用いた寿命推定法

14.アイリングモデルによるストレス、湿度負荷、および水浸漬条件下の耐久性加速試験および寿命推定
  14.1 アイリングの式を用いた寿命推定法
  14.2 アイリング式を用いた湿度に対する耐久性評価法
  14.3 Sustained Load Test
  14.4 JIS K 6867ISO10354 接着剤-構造接着接合品の耐久性試験方法-くさび破壊法(ウェッジテスト)による耐湿および
     耐水性試験方法

  14.5 アルミニウム合金のエッチングと耐久性との関係

15.金属/接着界面の耐水安定性についての熱力学的検討

16.接着接合部の疲労試験方法および疲労試験結果
  16.1 アイリング理論から誘導されるS-N曲線
  16.2 マイナー則(線形損傷則)
  16.3 接着継手、スポット溶接-接着併用継手、リベット-接着併用継手の疲労試験結果

17.接着接合部のクリープ破壊強度およびクリープ試験方法
  17.1 クリープ破壊強度、破壊時間-温度の関係式(ラーソン-ミラー式)
 17.2 実験値からラーソン-ミラー式の決定方法
  17.3 プラスチックのラーソン-ミラー線図例
  17.4 継手のクリープ試験方法

18.接着トラブルの原因別分類と対策 )
  18.1 原因別分類とその対策
  18.2 各種トラブル事例の原因と対策

□質疑応答□

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